本文へスキップ

【国際交流インタビュー】姉妹都市交流とは 〜静岡県掛川市の例〜

姉妹都市交流とは 〜静岡県掛川市の例〜

静岡県掛川市は、アメリカ オレゴン州 ユージン市と姉妹都市提携を結び、長年にわたり活発な姉妹都市交流を行っています。そんな静岡県掛川市の姉妹都市交流事業とはどんなものか、掛川市にお住まいのめぐさんに聞いてみました。

【国際交流インタビュー】
姉妹都市交流とは 〜静岡県掛川市の例〜

あなたの住んでいる自治体は海外のどこかの都市と姉妹都市提携をしていませんか? 

お住まいの自治体に姉妹都市があって、姉妹都市交流プログラムが行われている場合、その交流事業の内容は自治体ごとに異なりますが、積極的に関わってみることで、身近な国際交流ができる可能性があります。

例えば、活発な姉妹都市交流をしていることで知られる静岡県掛川市は、アメリカ オレゴン州ユージン市(Eugene)と姉妹都市提携を結び、掛川市内の高校に通う高校生や、一般の掛川市民からなるユージン訪問団を派遣したり、ユージンからの訪問団を受け入れたりといった姉妹都市交流を長く続けています。

今回は、その静岡県掛川市にお住まいで、積極的に姉妹都市交流に関わっているめぐさんに、「姉妹都市交流とは?」「どんなことをするの?」など、お話を伺いました。

静岡県掛川市の姉妹都市交流


こんにちは、静岡県掛川市在住のめぐと申します。
今回は私の住む掛川市の行っている姉妹都市交流について紹介します。

掛川市は、1979年にアメリカ オレゴン州ユージン市と姉妹都市提携を結びました。
市の規模や、産業構造が似ていること。そして、お互いに緑豊かな文化都市であるということから始まった関係ですが、似たような環境に住むユージン市の方々とは気質も似ているのか。以来ずっと良い関係が続き、姉妹都市間の交流も盛んに行われています。

以前は掛川市役所内に国際交流課があり、現地(ユージン)に市の第三セクターとして農園を購入し(現在は閉園)、市民のための農場研修を行ったり、市内在住の中高大生のための訪問団を派遣したり(私も20数年前、中学生のときに参加)していました。

現在は、掛川市が外部委託をするかたちで「NPO法人掛川国際交流センター(以下KIC)」が色々な企画を請け負い、実質的な国際交流事業の運営をしています。

今も続いている活動として、毎年夏に掛川市民からなる訪問団をユージンに派遣、毎年秋の掛川大祭りに合わせたユージン市民の掛川訪問団の受け入れ、マラソン大会への選手派遣と受け入れ、そして、ユージン市にあるジャパニーズ・イマ−ジョン・スクール「友人学園」の親子卒業旅行受け入れがあります。

(※ジャパニーズ・イマージョン・スクールというのは、日本語のみで日本語を教授する授業を行っている学校のことです。友人学園は全米でも有名な日本語教育の学校で、毎年夏の卒業シーズンには、学んだ日本語を実際に使うべく、卒業旅行として希望者が日本への旅行をすることになっています。)

これらの姉妹都市交流イベントは毎年行われるので、定期的に子供達に交流する場を持たせたいと思っている我が家にはありがたいです。 海外旅行などの遠出するわけでなく、すごく無理をするわけでもなく、地元にいながら国際交流ができるチャンスですから。



卒業旅行で来日する友人学園の生徒のホームステイ受け入れは、同世代の子と触れ合えるということもあり、我が家の子どもたちが毎年とても楽しみにしているんです。気づけば、もう7年連続で受け入れをやっていますね。

受け入れはたいてい、KICの方で駅までの送迎、簡単な市内観光が文化披露、そして市役所表敬訪問といった一通りのことを済ませてから、ホームステイ受け入れ家庭との対面。その後、各家庭に滞在することになるので、受け入れをする側としてはかなり助かります。

私個人としては、外国でコテコテの観光場所に案内されるよりも、その国の普段の暮らし、彼らが普段していることをしてみたいと思うほうなので、ゲストにもまずどんなことをしたいかを聞くようにしています。

大事なのは、ホームステイにくる子(ゲスト)の体調と日程。もちろん、自分の家の都合もあります。それを全て擦り合わせて、ゲストにも相談しながらプランを組み立てるようにしています。相談する過程も、話が弾んで楽しんですよね。

子供たちも自分の予定を話したり、相手に質問したりと、英語を使う良い経験になりますし。拙いながらも、必死に聞こう・話そう・伝えようとしているわが子の姿を見るのは微笑ましくも嬉しいものです。

(近所のショッピングモールのゲームコーナーで太鼓の達人に興じる息子とアメリカ人ゲスト)

以前は困るとすぐ私を頼ってきた息子たちですが、最近では間違っていても自分で(自分のボキャブラリーを駆使し)必死に組み立てて表現しようとする息子たち、成長が嬉しく思います。英語力はもちろんですが、自分でなんとかしようという力がついてきたり、もっと世界を観てみたいという好奇心が増すのは、受入をやらせてもらっているお蔭かなぁと思います。

夫も、高校卒業程度の英語しか話せないのですが、世界の出来事に関心は高くいろいろ話したい性質なので、翻訳アプリなどを駆使して積極的に話をしています。


家族みんなで世界観が広がるのって、なんかテンションがあがるというか、アドレナリンが出ているのを感じます。

もちろん、一時的に(スケジュールが)忙しくなったり、食事を(増やして)作る手間がかかったり、いつも以上に念入りに掃除をしたりなどと、ちょっとした負担は増えます。
でも、子どもがいると忙しいのは日常茶飯事ですし、食事を1〜2人分多めに作るのも大した手間ではありません。掃除は、普段やり残している細部をたまには念入りにやる良い機会と思うようにしています。

ホームステイ受け入れを含む姉妹都市交流事業に参加することが、「楽しい体験ができるチャンス!」と取るか、「めんどうなこと」と取るかは、その人の気持ち次第だと思うんです。「せっかくの貴重な機会だから、楽しもう!」と思える人であれば、きっと良い経験になると思います。

楽しいのはもちろんですが、それだけでなく、自分や家族の未来へのステップとなるかもしれませんし。実際私は、市民の立場で姉妹都市交流に長年関わってきたことを評価され、2015年春に、高校生のユージン訪問団の引率をするチャンスをいただけました。

これはすごくラッキーなケースだったのかもしれませんが、姉妹都市交流を続けているうちに、無料でアメリカに行けるチャンスがくるなんて、本当に驚きました。



現在13歳になる私の長男も、中学生か高校生の間に(親同伴ではなく)アメリカに行きたいと言っています。 現在、掛川市は、ユージン市の他に(旧大須賀町との合併で)ニューヨーク州コーニング市とも姉妹都市提携を結んでいるため、どちらの都市へも毎年訪問団の派遣をしています。

中高生では全て自分でというのはちょっと厳しいと思いますが、姉妹都市交流事業の制度を利用していくのであれば、、親も安心して送り出せるというもの。

市の委託事業なので、渡航費の一部(約10万円)を市で負担していただけるのも金銭的な負担が軽くなり、かなり魅力的です。 こんな掛川市の制度、てっきり他の市町村でも同じような制度があるのかと思っていたら、そうでもないんですね。

やりたくてもなかなかチャンスがないという知人の話を聞くと、私たちは恵まれているんだなと改めて感じます。ただ、チャンスを活かすかどうかは自分次第。まずとちょっとの勇気を出して一歩を踏み出してみてはいかがでしょう?

外国に行ってみたいけど、時間的・経済的に余裕がない。でも外国人と交流をしてみたい!と思っている方、意外と身近な所に、情報やご縁があるものなので、ご自身の身の回りの情報をチェックしてみるとよいかもしれません。

お住まいの自治体(市町村)に提携姉妹都市があるかどうかわからない、提携姉妹都市はあるけれど、どんな交流事業をやっているのかよく知らないという方は、役所で質問しているか、自治体のホームページを見ると、情報を集めることができます。




  【国際交流インタビュー】姉妹都市交流とは 〜静岡県掛川市の例〜



ギャラリー

外国人を自宅に招く方法

日本にいながら外国人の友達を作る手っ取り早い方法は、外国人を自宅に招くこと。ホームステイ受け入れは1泊〜可能ですし、宿泊を伴わず食事だけをいっしょにするホームビジットなどの方法も。

地域の外国人と交流する方法

あなたの住んでいる地域にも外国人は暮らしています。生活の基盤が日本にある在日外国人と知り合えば、家族ぐるみで長くお付き合いをすることも可能。彼ら/彼女らも日本人の友達を作りたいと思っているかも。

ネットで外国人と交流する方法

インターネットで外国人の友達を探すことに抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、いわゆる出会い系ではなく、ごく普通の友達を求めている人もたくさんいます。今日の出会いのきっかけとして、インターネットは欠かせません。

外国人の友達を作るTips

「英語の勉強になりそうだから外国人の友達を作りたい!」これ、直接外国人に言ったら嫌われてしまうかも。外国人の友達を作りたい人が気を付けたいこと、知っておいた方がよいことなど。

国際交流インタビュー

いろいろなかたちで国際交流を楽しんでいる人達に「外国人と友達になる方法」「私なりの国際交流」についてお話を伺いました。